数多くの実例から得ることができた事業承継の教訓


(株)
河野コンサル 代表取締役社長 河野 一良

季節はいよいよ春、政府経済報告、日銀短観、日経新聞の企業財務面からの情報においては、回復基調にあるとのことですが、足元はまだまだ暗く先行不透明な環境下にあるように思います。しかし、世界的に見ますと欧米(先進国)の不況は続いており新興国の中国、インド、ブラジルは発展を続けています。魚釣りにたとえますと、『釣糸は魚の少ない池より多い池に』と言う言葉がありますが、日本国内は年々人口減少、高齢化、政府はコンクリートから人へと手当て中心の政策展開。これでは内需への期待は難しい。地球は小さくなり国境は消滅。この大変革の時代、目線を上げての経営のチャンスです。技術を生かし、付加価値を付けて、魚の多い地域へ出て行こうではありませんか。

さて当社は、1月22日(東京)、2月1日(大阪)に於いて創業10周年の記念式典を無事終えることができました。ご多忙な時にもかかわりませず約300社にのぼる会員、パートナーの皆様方のご参加を頂きましたこと本当に有難うございました。これからは10周年を踏台として全社員更なる研鑽に努めノウハウを積上げ、会員の皆様方からのニーズにしっかり対応していく所存です。厳しい時代だけに少しでもお役に立つ考えで頑張ってまいりますので今後共ご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。

次に、10年間数多くの事業承継ニーズに対応してまいりましたので、その事例集計として感想を紹介させていただきます。

3大対策項目

①     持株会社・・・オーナーの株式を集中。

②     持株会・・・社員とそれ以外の株式を集中。

③     種類株式の導入・・・議決権を無くしオーナー支配率を高める。

※いずれも経営者に支配力を集中し、経営力を高め将来後継者に経営権を分散せずに引渡しができるための施策。

厳しい対応

同族や元役員からの買取請求が発生し、弁護士が介入して高額の買取り価格となったこと。

最悪の実例

○     増資を受入れ主導権を握られ、家族全員解任された。

○     3年以上検討しいよいよ実行決断、直後に相続発生。

○     兄弟間に株式分散、現社長が解任され業績不芳、廃業に。

○     他株主を気にし対策ができず相続発生、納税に苦しむ。

数多くの実例から得ることができた教訓

①     オーナー企業においては、最低でも51%以上の株式をオーナー自身で持ち、将来は全て後継者に引継ぐべきである。

②     非上場オーナー企業の自社株式の株主は管理可能な会社内の人間に限る。たとえ同族であっても社外株主は避けた方が良い。これからは時価での買取請求が増加する。

③     相続対策のみの考え方では会社の存続においては危険。会社支配をまず優先、これを間違えると永続は無い。承継は元気な内に時間をかけて後継者に引継ぐ。

④     子供はいて後継者がいない場合でも自社株式は子供に引継ぐ。それができない時はM&Aで会社を売却する方が良い。一旦社員に会社を譲っても又帰ってくるオーナーが多い。

⑤     同族においての共同支配は飽食の時代に育った子供には難しい。三本の矢の精神は無理。

⑥     会社ビジネスの全ての成果は自己資本に集積、会社の発展と合わせ、常に自社株式(自己資本)の所有状況をチェックすべき。対策実施後放置しているケースが多く見られる。持株会社は決算終了後毎に株価を算定することが大切。

以上、当社が対応した結果の事例の多いケースより感じた点です。各社の状況に照らし合わせ不都合な点があればご相談下さい。2009年だけで約300件の対策を実行しています。目標(あるべき状態)を設定し、可能なものから順次行なうことがポイントです。当社の経験数(事業承継のみの専門)によるノウハウを是非ご活用下さい。全身全霊を打ち込んだ大切な会社を上手に後継者に引継ごうではありませんか。皆様の努力と頑張りに期待します。

Print Friendly, PDF & Email