河野コンサルから見るオーナー像

(株)河野コンサル 代表取締役社長 河野 一良
銀行員時代~独立し現在まで約25年に亘り4,000名以上のオーナー経営者に関わった経験を通じ、私の視点からオーナー経営者像を描いてみようと思います。
オーナー会社の社長は会社組織を活用した個人商店の親父さんです。この親父さんが真面目に一生懸命に働かなければ商売はうまくいきません、うまくいかなければ消滅します。その責任はたとえ他の人の間違いが原因でも全て自分でかぶることになります。常に断崖絶壁に立っているのです。会社の借金でも個人連帯保証を取られ会社が消滅しても逃げることは出来ません、個人商店そのものです。しかし会社組織のため会社法による取締役の重い責任を負い、労基法等の厳しい責務も実質一人で全て負担しているのです。その分高額の報酬を取っているかと言えばそうでもなく、会社の安定を第一に内部留保の拡充に力を入れています。個人所得にたいする税金が高額となることも取りづらくしているのです。日本は世界一の社会主義国とも言われており、先進国のなかでは最高税率の税金を課せられているのですが、だれも文句を言わない不思議な国民性の国です。そのため欧米の会社社長の報酬とは比較にならない程低額となっています。自分は辛抱し内部留保を増やすのですが、会社組織のため、オーナーですから自社株式の大半を所有しています。その株式の財産評価額が高額となるため次の代(子供)への引き継ぎで苦労することになるのです。引き継ぎ不能で廃業や相続倒産に至ることもあるのです。これも会社の引き継ぎに見合う報酬を得ていないことも原因の一つですが、相続税が高すぎることが主因であると思います。
今政府では相続税率の引き上げの準備をしており増税は確実です。小手先の対策では厳しくなる一方でしょう。一生懸命働き高額の法人税を納め残りを内部留保すればするほど株価が高くなり引き継ぎが難しくなります。税金を払えば払うほど引き継ぎが難しくなるとは何ともおかしい気がします。しかし家族のため・社員のため・取引先のために会社の存続を考え事業の承継を行わなければならないのです。人生の殆どを費やし育て上げた会社は我が子同様かけがえのないものです。後継者を育成し会社の存続に全力を傾注することは当然のことです。しかし株式(議決権)を縛る「会社法」・子供の相続権の平等の権利で株式を分散させる民法・税法による相続税の高額負担等、一人で全ての責任負担を強いられる個人商店の親父さんには周りの法律は全て邪魔をするように出来ているのです。まな板の鯉ではいけません。会社を立派にする頑張りと同時に邪魔をする法律にも対応しなければいけないのです。とにかく大変ですが会社の存続のためにはやるしかありません。できるだけ明るく楽しく取り組むことを願っています。合掌
次回は事業承継でのオーナーと後継者について

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