オーナー企業の後継者

(株)河野コンサル 代表取締役社長 河野 一良
「創業者のパワー・鬼経営者・ワンマン経営者」この言葉は後継者世代にはありません、今は経営力・人望・法律上の権限を兼ね備えてのトップ経営者が要求される時代です。経営力・人望は勉強し経験して後継者が身に付けるものですが、法律上の権限は事業を委ねる社長が揃えるものです。この点は今、これからの時代においては特に重要です、これまでは俺の会社・あの社長の会社という言葉が認知されていましたが、今は株主の会社が当たり前で今の時代は株式の所有率によって誰の会社・誰が君臨するかが決まるのです。日本のオーナー経営者は島国で農耕型民族(仲良し経営)下で存続してきたためこの面が弱いようです、後継者の時代は危険です、将来を子供の後継者に引き継ぐ考えを持っているオーナー社長は法律上の権限を万全にしたうえで託すべきだと思います。
前回の代表からの提言「事業承継でのオーナーと後継者」のときに申しあげましたが、会社経営手法と王道教育も大切ですがオーナー経営の在り方とオーナー社長と雇われ社長の違いを徹底して教え込むことが、会社の永続・100年以上の存続会社を目指すためには最も重要な事だと25年以上の事業承継を職務としオーナー社長のニーズを経験した結果間違い無いと考えています。
さて法律上の権限とは会社の支配力言い換えれば議決権付き会社の株式(自社株式)を100%持っているか、無理なら3分の2、それも難しい時は51%以上を後継者のみに集中するように引き継ぎ時点でなっているかです。問題の無い会社は意外に少ないようです、近年会社法・民法において大きな改正が相次ぎオーナー会社の後継者に議決権を集中するための新しい手法が出来ています、知識を習得し早いうちに対策を打つことをお勧めします。後継者への引き継ぎは最低5年の時間をかけ自社で作り上げた文化を教え込み社長が作り上げた組織・幹部人材ではなく後継者が動かせる組織・人材に引き継ぎ時点には変えてしまうことが大切なポイントです。時代の変化に即応できる会社でなければ生き残ることは難しいからです、社長が作り上げた組織・幹部人材は後継新社長には動かしにくく思い通りの経営が出来ない恐れがあります。引き継ぐ前に後継者のための組織づくりも社長しかできない大事な対策の一つです。
後継者を子供複数で考えているオーナー社長も見受けられますが相談を受けたときはNOと答えています、会社には社長は一人しかいません、城の中には殿様は一人しかいないのです、将来トラブルを起こし争って別れるときに会社の体力が減少、結果倒産するケースも出ています、会社の存続を考えれば厳しい対応をすべきだと思います。また子供間のトラブルを防ぐためにも法律上の権限(株式の集中)を後継者に集中させることが肝要です、立派な会社ほどこの危険性が高いようです。第二次世界大戦で敗退するまでは家督相続であったため会社の存続においては親族間のトラブルは無かったのです、子供・親族が協力して経営を行い会社の存続に全力を発揮するにはオーナー社長は事業の継承に親の顔は出さず経営者の顔で後継者を一人選ぶ考えをお勧めします。

 

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