身代わり会社の運用と戦略的活用


株式会社河野コンサル
コンサルタント 太田 久也
コンサルタント 北口 勝也
身代わり会社の目的と必要性

・身代わり会社の目的
後継者への支配権の承継をスムーズに行うため
支配権の安定確保のため
・身代わり会社の考え方
支配権は握るが自社株式は持たない。
・身代わり会社のメリット
① 後継者への支配権の承継がスムーズにできる。
② 株式が分散しない(法人所有に相続なし=支配権の安定化)。
③ 自社株から現金に換わることで
(1) 納税資金に困らない
(2) 相続でもめない
(3) 相続税対策がしやすい
④ 一代のみならず、代々に渡った事業承継の仕組みができる。
身代わり会社の運営上のポイント
事業を行うこと
(理由)
① 運転資金(社債利息、役員報酬等)の確保
② 社債原本の返済原資
③ 代々の株式承継資金等の確保
④ その他会社関連必要資金の確保
身代わり会社の事業の具体例
①不動産賃貸業
② 保険代理業
③ 人材派遣業
④ 業務請負業
⑤ 商品卸売業
不動産賃貸業の具体例
(事例1)本社で所有する不動産(例 含み損のある物件等)を身代わり会社に売却し、本社に賃貸する。
(事例2)個人で所有する会社使用の不動産を身代わり会社で購入し、本社に賃貸する。(将来の相続トラブル防止)
(ポイント)
・不動産鑑定評価を実施すること
・不動産を移動する理由付けを議事録に明確にしておくこと
本社と身代わり会社の配当政策
身代わり会社の本社からの配当金については非課税。
(受取配当金の益金不算入)
(事例)
1500%配当(約1億2000万円)の実施。
身代わり会社はこの資金を原資に本社の不動産を購入。
(要件)
本社の株式を25%以上、6ヶ月以上所有していること。
(注意点)
・株主構成に注意。
・種類株式の配当の設計を普通株式とは連動しない設計にすることが可能。
株式保有特定会社とは
総資産に占める株式等の保有割合が50%以上(大会社については25%以上)の会社の株価は純資産価額により評価します。
(つまり、類似業種比準価額が使えない=株価が高くなる)
したがって、株式保有特定会社に該当し、株価が純資産価額が適用され高くなっているケースの場合は、株式保有特定会社に該当しないような対応策が必要になります。
(対応方法)
① 総資産を増やす(不動産等を取得する)
② 株式を減らす(金庫株の実行の検討等)
身代わり会社の株価評価上のメリット
身代わり会社の株価算定にあたって、純資産価額算定上、含み益については45%控除が可能。(株価上昇が2分の1に抑制)
(例)身代わり会社はオーナーより10億円で本社株式を購入。
10年後本社株価が上昇し、30億円になった。(含み益20億円)
この含み益についは45%控除ができる。
・本社株式を個人で直接所有していた場合
株価=30億円
・身代わり会社をとおして所有していた場合
株価=21億円(差額9億円)
社債の償還について
・社債の償還原資
① 身代わり会社の事業収入
② 金庫株
・金庫株とは
身代わり会社が所有する本社株式を本社へ売却する。
この売却資金で借入金(社債)を返済する。
・金庫株実行にあたってのポイント
① 実施にあたっての時期、タイミング
② 金庫株実施後の株主構成(議決権比率)に注意
③ 株価は時価純資産価額を適用
④ 非課税(受取配当金の益金不算入)
⑤ グループ法人税制に注意
社員持株会の運営上のポイント
(対外的)
活動実態の存在⇒配当金の支給
(対内的)
①会員総会の開催(年一回) 書面決議可能
②配当金の支給報告
裁判例で見る社員持株会をめぐるトラブル
(争点)
退会時の株式買戻し及び買取金額をめぐるトラブル
(退会時の買取金額を取得価額とするための条件)
①    株式を取得する時点で、制度趣旨を十分理解して自由な意思で株主になった。
②    株式を取得したときの価格が、時価と比較して特別に廉価。
③    株式保有期間中、比較的高率配当(年1割以上が理想)が維持されていたこと。

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