未上場会社における株主総会攻防劇

 
株式会社河野コンサル
執行役員 コンサルタント 太田 久也
株主総会のシーズンが到来しました。株主総会攻防劇と言えば、株主総会の席上で株主と経営陣との激論をイメージされる方も多いと思われますが、未上場会社における株主総会をめぐる攻防劇については、かなり事情が異なります。
まず、未上場会社で実際に株主総会を行なっている会社はごくまれで、ほとんどの会社は議事録だけを作成して株主総会をやったつもりでいる、というのが実体ではないでしょうか。
そして、ある日突然弁護士からの内容証明。『今まで一度も株主総会招集通知を受け取ったことがありません。会社運営について話し合いがしたく至急ご一報下さい』。この会社は毎年議事録は作成していましたが、今まで一度も株主総会を行ったことはありませんでした。そして、この10年の間、増資、合併、金庫株、営業譲渡等、実にさまざまな資本政策を実施し、会社も大きく成長してきました。しかし、弁護士は『株主総会を行っておらず、会社運営が適正になされていない、すべて無効。よって裁判に訴える』、と言ってきました。実際に株主総会を行っていない以上、弁護士の言い分は100%正しい。結局、会社はその株主の株を数億円で買い取ることになりました。会社にとっては大損害です。ここ近年未上場会社における株をめぐるトラブルが増加しています。
そして、自己資本の厚い未上場会社においては、トラブルになった際の損害も非常に大きいものとなります。裁判に勝つ負けるにかかわらず、裁判になれば、否が応でも頭がどうしてもそちらにとられますので、商売上もマイナスの影響がでることは避けられません。したがって、今後は是非実際に株主総会を行っていただくことをお勧めします。確かに実際に株主総会を行うことはめんどくさい、という気持ちもわかりますが、実際に株主総会を行う負担と、将来トラブルが起こった際の負担を比較すれば、総会を行う負担など、微々たるものです。また、総会を行うに当たって、多少のルールはありますが、上場会社とちがって、未上場会社の株主総会のやり方は思ったよりも簡単です。重要なのは実際にやったかどうか。やり方については最初はさほど気にすることなく、まずは実際にやってみる。将来自分があるいは後継者が後悔することのないよう、今後の会社運営に組み入れていただければと思います。

Print Friendly, PDF & Email

関連タグ :