親子での事業承継事例

株式会社河野コンサル
代表取締役社長 河野 一良

暑い夏8月15日になれば戦後67年が経つ事になります。終戦直後に生まれ日本の高度成長期に活躍し、優良な経営を続けているオーナー企業で社長の年齢が70歳になろうとしています。後を継ぐ子供も40歳を越え社長のあとを継ぐための年齢になってきました。経済環境は先の見通しが立ちにくく、余裕の無い経営を余儀なくされており、事業承継の準備の時間を持つ事が難しい時代となっているのです。それでも事業の存続のためタイミングをいっせず引継ぎをしなければなりません、しかし事は簡単では無く踏み切れない理由の一つに、厳しい経済競争を勝ち抜いて来たオーナー社長からみると、子供の経営能力では心配、もうしばらく修業させてからと先延ばししてしまうのです。
関東のA会員社長は生き残りをかけもうひと頑張り、事業承継を進めようとしたのですががんになり6カ月で亡くなりました、会社は引継ぎが上手くいかず取引先の大企業に買収されたのです。一年前にスタートしておればと悔やまれます。
関西のB会員は世界一の技術力の会社で、社長一人で創り上げたノウハウの継承は子供といえども難しいと判断、後継者の子供と契約書を交わし5年後に社長を引継ぐ事を明確にし、内外に公開した、これの素晴らしい点は親子間で、お互いの気持ちを率直に出した上で、それを認め合意した事である。会社の存続を第一に考え、後継者へのバトンタッチを契約で示した事例は少ない。
四国のC社は子供は男、女の二人で長女は結婚して家を出ている、商売の歴史は100年以上で長男が後を次ぐ事は、当然のこととオーナー経営者も周囲の取巻き全ての関係者も、認めている状況であったにも関わらず、長男の方から今すぐの引継ぎを迫ったのである、弁護士を立てての争いに発展し結果長男への事業承継を諦めたのである。
九州のD社は規模も大きく相続税を逃れるために、少しずつ役員、社員100名以上に額面でばら撒いた、創業社長の年齢が70歳を超えた今、長男の取締役へ事業承継の話を持ち出したところ、自社株式の所有率の低さを指摘され、対応に苦慮している。
この手の事例は数多くある、日本の国政と同じで過半数超の自社株式がなければ会社の経営に支障がでる、この変化の激しい時代にスピードある経営ができない事は流れについて行けず、命取りになる事は充分考えられる。

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