「働き場を魅せる場」としてのオフィス


コクヨファニチャー株式会社
スペースソリューション本部 坂本 崇博

工場が「モノづくりの現場」や「製造現場」と呼ばれるように、オフィスは「コト(知恵)づくりの現場」であり「創造現場」です。

これまで、多くのメーカーでは、工場の生産性(QCD:品質・コスト・納期)向上のために投資を行ってきました。

しかし、「作れば売れる時代」が終焉を迎えた現在、これまでにない「新しいコト」を考え、新たな市場や事業を創り出す現場であるオフィスに対して、その創造活動の生産性を高めるための投資を行う重要性がますます高まっています。

従来は、オフィスは「経費」として、なるべく賃料コストやオフィスの運用コストを抑えるべく、収納スペースの削減や詰め込み型のレイアウト工夫がされてきました。

オフィスを「投資対象」として捉える現在では、単にスペース効率だけを求めるのではなく、様々な生産性向上の工夫を施したオフィスが作られています。

例えば、1人1人の自律意識を高めるためのフリーアドレス※の導入や、コミュニケーションを活性化するためのエリアの拡充、集中エリアの設置や、創造性を刺激するデザインの工夫などが挙げられます。

※フリーアドレス・・・自分の席をもたず、業務に適した場所を自律的に選択して働くことができるオフィス形態。

オフィスの生産性を高める工夫を考える上で、とくに重要となるキーワードが「プロフェッショナル」と「コラボレーション」です。

オフィスで働くワーカー1人1人が自律したプロフェッショナルとして、専門性や創造性を高めつつ、チームとして共創(コラボレーション)しながら、新しい価値を生み出していくことを支援するためのオフィスのあり方が求められます。

そうしたワーカーのプロフェッショナリティを高め、互いのコラボレーションを促進するオフィス形態の1つが、「ライブオフィス®」です。※ライブオフィスはコクヨ株式会社の登録商標です。

ライブオフィスとは、メーカーがお客様や取引先に対して工場見学をしていただくように、お客様やパートナーに対して、自社のオフィスでの働き方を見学してもらうためのオフィスのあり方です。

創造現場であるオフィスを見学してもらい、ワーカ1人1人が働く姿や、企業として目指す姿を体感していただき、企業やワーカーの信頼性を高め、「ここで働くメンバーであれば、価値の高いコトをしてもらえる」と思っていただけることを目指しています。

そのためには、従来型のオフィスや働き方ではなく、より創造的で生産性の高いオフィスを構築することが重要です。

また、そこで働くワーカーも「働き方を魅せる」意識をもち、常に自己研鑽や改善を積み重ねながら、プロとして成長していくことが不可欠となります。

河野コンサルのオフィスでも、このライブオフィスの形態が採用されています。

一般的にコンサルティング会社のように「ソフト」を提供する企業においては、メーカーとは異なり、お客様に「商品」を手にとって見ていただき、その価値を評価していただくことができません。

つまり、コンサルタント1人1人のプロフェッショナリティや、集団としてのチームワークのよさや、企業としての先見性、情報セキュリティなどの「見えない価値」を信頼していただくしかないのです。

同社では、この見えない価値をいかに「魅せる化」するかを追求した結果、ライブオフィスという「魅せるオフィス」を作ることを目指しました。

もちろん、オフィスという空間だけを紹介するのではなく、そこで働く1人1人のコンサルタントや彼らを支えるスタッフたちの働き方を魅せることが重要であり、同社のオフィスでは、ワーカーのプロフェッショナリティやコラボレーションを刺激し、促進する仕掛けが随所に施されています。

例えば、基本的なワークスタイルとして、フリーアドレス形式を採用し、集中して機密な作業を行う場合には集中席で、チームで会話をしながらナレッジを共有したいときには交流エリアで働くなど、「適業適所」な働き方を実践しています。

また、意思決定を迅速かつ適正に行うためにも、オープンかつフラットな環境を作るとともに、ITツールも駆使して、相談したい相手がオフィスにいる/いないに関わらず、さっと相談してぱっと決めるスタイルがとれるようになっています。

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