オーナー企業としての資本政策

株式会社河野コンサル 代表取締役社長 河野一良
当社会員で歴史があり高収益のオーナー企業で持株会社の株式を兄60%弟40%所有している会社がある。兄弟は仲が悪く株主総会時は必ず参加、3分2の議決権の賛成で決まる株式の消却・合併・分社などの重要案件は弟が全て否決、経営上大きなマイナスが生じている、株価が数十億で今も高収益で上昇しており兄の社長としては、資金負担の大きさから買戻しも出来ず困っているが動けない、高齢の為相続の不安も日に日に高まっている。
最近は韓国のロッテ・大塚家具等上場企業に於いても株主権の取り合いで世間を賑わしているが、非公開のオーナー企業に於いては、株式の分散は企業そのものの存続を揺るがす事になるため、相続税対策の視点で株式を動かしてはいけない。ましてやオーナー1人が責任と決断を要求される事が当たり前の会社経営に於いては、議決権の過半数(51%)の所有は必要不可欠の所有数で有り、出来ればランクアップして3分2(67%)を所有、重要事項の特別決議をも決められる事が望ましい。その確保した株式を後継者である次の世代に引継いで行く事が会社を長持ちさせる上で大切な事と思われる。株価が高い会社程株式を分散させる傾向にあり中には社員に70%をばら撒き不安に慄いている会社もある。オーナー一族は自分の会社と思っているがこれはオーナーの会社では無く事が起これば清算か他者への売却の方向へ向かう事になる、会社は株主のものである事を認識した上での資本政策が重要、この様なことにならないよう税の専門家のみの相談は止め、会社法を踏まえた上での対策を社長の年齢からでは無く株価の大きさから判断して早めの対策の実施をお勧めしたい。
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