弊社は本年、設立25周年となります。日頃よりご相談を頂く会員の皆様に心より御礼申し上げます。「事業承継を、単に資産の相続と考えると失敗する。承継とは経営権と支配権(自社株式)を移譲すること。税務だけでは事業の要諦を見失う、承継は無理をせず早め早めに対策を講じること。」これをモットーとして、設立以来、4000社以上のオーナー企業の事業承継コンサルティングに取り組んでまいりました。これまでの25年の実務経験、そして未来への展望ついて考えてみました。1、会員の皆様の特徴である「無借金」「オーナー経営」「設立50年超」を満たす企業は日本全国でも数が少なく、さらに、事業承継のタイミングはおよそ30年に一度となれば都道府県あたり、年に1、2件しか該当事例が存在しないわけです。このような事例の少ない分野においては、専門家も中々育ちません。したがって、会員のオーナー経営者は、地域において「相談できる人がいない」と感じられるのは、まったく当然のことなのです。 2、これからはオーナー企業にも「資本コスト」を問われる時代が始まりそうです。この資本コストを利用した「新しい融資制度」も始まります。更にはスタートアップ支援の一環で非上場株式の流通を後押しする制度も始まるため上場していなくても、買収危機が迫る時代にもなりかねません。会社防衛に大きく影響が出てくる為、これまでの類似業種比準価額と純資産価額だけではなく資本コストで割り算して計算する株価、割引現在価値についても理解が必要な時代になります。 3、改めて「事業承継」とは何なのかを考えてみます。事業承継の基本は、やはり子どもをはじめとする親族への承継です。10年ほど前からM&Aによる売却も事業承継と呼ばれるようになりましたが、子供が継がなかったとしても、数年後に孫が「継ぎたい」と手を挙げることもあります。だからこそ、慌てて株を他人に渡してはいけないのです。企業にとって、事業承継とは「出口」ではなく、「継続」のための一歩です。次の四半世紀には、会員の半数以上が100年企業になると予想されます。その未来に向けて、私たちもまた変化に適応し続け、法改正や経営環境の変動にも対応し常に研鑽に務め提案力の向上を図ってまいります。